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カイジ ファイナルゲームのTAKEZOHのレビュー・感想・評価

カイジ ファイナルゲーム(2020年製作の映画)
2.0
時代が近づいてしまったカイジというファンタジーと好敵手不在のざわざわしない逆転ゲーム……
本作、日本政府という今までで一番巨大すぎる相手とスケール感と、オリンピック後の日本という設定に、「これじゃあ帝愛の地下と同じじゃないか!?」というセリフが冗談になっていない現代日本を描いていて、カイジというフィクションの限界と区切り、そこから逆転していくという意味でファイナルというのは納得しつつ、
今回ファイナルということで原作者自ら脚本に参加しているので、その考案されたゲームを楽しみにしていたのだが、『人間秤、ゴールデンじゃんけん……』どれもゲームとして薄っぺらさと物足りなさを感じてしまった……
それは今までの作品が刺激の強かったものだったから?とも思ったが、日本政府という組織、富裕層を倒すというメッセージ、目標の進行の手段になってしまっていて、今までカイジと対極にいた富裕層の一部にカイジが手を貸すという違和感と、特に人間秤という金持ちゲームのカイジの不必要さと、どれもカイジを追い詰めるほどの窮地、相手がいなかったというのが、ゲームにざわざわしなかった原因ではないだろうか? ……
(もしかしたらこの作品シリーズのゲームを見て楽しんでいるお前らこそ、作品で描かれるゲームにのめり込む人間や冷ややかな傍観者になってないか? というメッセージなら効果的だったと思う)
しかしまあせっかく吉田鋼太郎と藤原竜也の共演、対決なのだから、ファイナルに相応しい最後の大ボスにAIニナガワの出現と金の灰皿による逆転ゲームが見てみたかった……
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