FATMAX夜食のデブロード

カイジ ファイナルゲームのFATMAX夜食のデブロードのレビュー・感想・評価

カイジ ファイナルゲーム(2020年製作の映画)
3.1
まぁアレよ。
ド頭から『じゃない』感は凄いのよ。
ソレが続いちゃう事を否定は出来ない。
しかも、いかにもカイジ的なヒリヒリ感ありそうに見えるオープニングの《エクストリーム福男》がサラ〜っと終わってタイトル出た時から「…どうなるんだコレは。」とはなったワケさ。

言うても"カイジ"ってのは現在における〈アンダーグラウンドな世界〉ってのを漫画的なフィクションで展開してるモノなのだが、今回は完全に日本が《ディストピア》化しているという" if 設定"で展開するワケで、ちょっとソコがテイストとしてカイジ自身の《底辺》感が薄まってるし、ナンかコレじゃ

《マッドカイジ 怒りのデス・ゲーム》

ですやん、と。


決定的に難儀なのは、

『カイジが完全にヒーローなのよ。』

もはやシンプルに《カッコ良い》。

もちろん序盤に相変わらずなクズ的演出は入ってるけど、結構早い段階でヒーローになっちゃう。

世界観が既に貧富の差をダイレクトに国全体で描いてるモンだから底辺から這い上がる感じも薄まってて、結果 全般的にカイジテイストが減っちゃってる。



ただ…
福本さんって漫画書く時に先ずゲームから考えるらしく。
詳しくは知らんけど今回 原作者自ら参加したこの作品もそういう創作だとすれば

「ナルホド、メインを張る勝負がこういうゲームならこういう物語にしたのも分からんではない。」

とは正直 思えてしまった。


とはいえ やはり『コレ"カイジ"か??』という気持ちにもなりましてね。


ぶっちゃけこの話、カイジじゃないと成り立たない要素が多分にありながら、カイジっぽいヒリヒリ感とは違うイメージなんだよなぁ〜、と。

逆にカイジライクな他の勝負のあっさり感が余計に毛色の違いに拍車をかけている。

"カイジっぽくない感"が増し増し。

ストーリー展開や勝負に関しても結構な後出しジャンケンの重ね技が多くてね。

更にソレを交わして勝利するカイジの能力がもうスーパーヒーロー化してる。


ラストのスタジアムなんてもうね…
もう「何見せられてんだ?」って感じ。

もう1度言う。

『コレ"カイジ"か!??』



ただ!


言い換えると、

コレ、カイジじゃなけりゃ結構面白い話になり得たんじゃないだろうか?

…とも思えたのよね。

イヤ、もちろん根本的に映画としてどうよ?って事は否定しませんよ!w

でもソコまで《全てダメ》とは思わない。

あのメインの勝負もソレだけ単体で見ればそんなにヒドいロジックとは思わんし。


カイジじゃなけりゃ…
でもカイジじゃないと…

っていう「コリャどうしたモンか…」状態に困っている次第。



で、見かたを変えて…



藤原竜也が過去作でカイジを自分のモノにしたのは間違いない。

だから

あの誰もがネタとしてセリフを叫んでしまう《藤原竜也カイジ》を見て楽しむ映画

として観れば、コレ今回も結構なインパクトのあるセリフ/演技の大盤振る舞い!

ソレに負けじと濃い新旧キャラクターの過剰クラスな演技の応酬。


つまり藤原カイジを愛でる話として観ればそんなにヒドくもないのかも知れない。

…とは思えるのでは?とw


やはり周囲の評価が結構良くなくて、ワシ自身も期待値《ド底辺》からのスタートだったからか、観るに耐えない迄にはならなかったってのはある。

《弱者が強者に打ち勝つ話》が好物ってのもあり、ソコまで断罪する気にはなれなかった。



1〜2作目の様な出来と比べるとカイジを期待すればする程に盛り上がらないってのはとても良く分かる。

ただ、

『ダメだコリャ。』
♬ブッパッパ ブッパッパ ブッパッパーー!

とまではならなかったなぁ。



あ、吉田鋼太郎がTVドラマ等でメキメキ売れ出した頃の吉田鋼太郎的キャラクターを演じていたのがとても

『あ〜、とても吉田鋼太郎だぁ〜w』

って思えて良かったっスww