シオ

カセットテープ・ダイアリーズのシオのレビュー・感想・評価

3.5
“光に目も眩み”
ブルースの音楽に衝撃を受けたパキスタン人移民の1人の少年の物語。

青春ドラマ、かな。
詳しくは公式のあらすじ、予告見てください。

厳格な父親とムスリムの教えの下、自由になれないもどかしさ、内に秘めた想いを文章に認める少年。自分が自由になれないこと、差別されることは当たり前だと諦めていたんだけれど、ブルース・スプリングスティーンとの出会いをきっかけに変わりはじめます。
青春ミュージカル映画だ。挿入歌、歌詞が風のように映像に入り込んできて素敵。
スプリングスティーンの曲は初めて聴きましたが、凄い。歌詞がいい。私も歌詞が好きで熱狂的に推してるアーティストがいるので主人公ジャヴェッドの気持ちがとてもよくわかる。

この町、人種差別が激しすぎるよ…そういう時代だったのか、いや、今もいろんな国での人種差別はあるし身近な問題。
私が思わず泣きそうになったシーンがある。
文才があるジャヴェッドは職場体験として新聞社に勤めるんだけど、そこの社員に「君はムスリムか?」と聞かれジャヴェッドはこう答える「はい。クビですか?」
この時のジャヴェッドの不安げな瞳と佇まいが辛かった…人種や信仰、出身国で差別されてきた人なら自然と出てしまう言動だったのか…見ていてとても辛った。

実際ストーリーはハッピーエンドで、太陽の下を歩けるようになるであろうアメリカンドリームに瞳を輝かせる1人の若い少年の今後に幸あらんことを願わずにはいられない終わり方。少年だけでなく、国を超え全ての人間に幸多からんことを。

ふふ、酔ってるので臭い言い回しでレビューしてるな。

私もジャヴェッドのような文才欲しい!
シオ

シオ