雪吹雪

カセットテープ・ダイアリーズの雪吹雪のレビュー・感想・評価

4.1
英国の郊外に住むパキスタン移民の少年、ジャベド。詩と文章を愛する彼の前には差別、貧困、父親の圧政と鬱屈にまみれていた。そんなある日、ボスことブルース・スプリングスティーンの音楽との出会いが彼の人生を変える。

舞台設定としての80年代英国は格差と移民排斥運動、保守党政府への不満等およそ明るい話題が無い分断の時代。主人公はそれら全てのケースを当て嵌めたようなキャラクター。大きなテーマとしての「分断」は、家族、恋人、友人との関係にも相当する。ブルースの音楽を通じ成長していくジャベドは、「大きな世界の分断」は変えられないけれど、身の回りの「小さな世界の分断」を変えていく。色々な愛に溢れていて気持ちが軽くなる作品。
雪吹雪

雪吹雪