『Winny』事件ってこういう事件だったのね。当時ニュースを斜めに聞いた限りでは、コンピューターウィルスをばら撒いたソフトを作った人が逮捕された、みたいに思ってたけど、全然違ってた。
最初、東出昌大に見えなかった。金子勇本人に寄せるために、なんと17キロも増量して撮影に挑んだらしい。
この作品は、名バイプレイヤーたちが、出来るだけ個性を消しながら、リアルに徹した芝居をして出来上がった作品という気がする。
天才プログラマーなのに、仮にも東大の助教だったのに、警察に言われた通りに供述書書いちゃったり、事実じゃない内容に署名してしまったりするかね?
「プログラムを書くことでしかコミュニケーションが出来ない」
壇弁護士の言葉を借りれば「金子勇は本当にプログラム馬鹿」で、コミュ障のオタクだったんだろうね。
壇弁護士役の三浦貴大もよかった。最近の三浦貴大は「太り過ぎじゃね?」と思ってたけど、本作でもルックスはとっちゃん坊や。でも、警察の不当逮捕に立ち向かう熱い青年弁護士役、本当によかった。
東出昌大と三浦貴大は、代表作になったんじゃないかなぁ?
もひとつわからないのが、吉岡秀隆の愛知県警の裏金事件。本筋とは最終的にリンクしないのに同時並行で描かれたのはなぜ? なにかあるのかと期待してたのに。
でもご本人、せっかく無罪になったのに、若くして亡くなられていたなんて…
『Winny』事件の本質、最高裁での無罪判決、ご本人の死。逮捕の時だけ大きく報じられて、その後のことなんて、何も知らなかった。
ずいぶん遅くなっちゃったけど、見られてよかった。