【なんてこったパンナコッタって古いか】
'76年版コング便乗作。当時ラウレンティスに睨まれお蔵入り、でしたっけ?日本公開はずっと後の2001年。どうでもよいのでみに行きませんでしたが。
何ゆえ広川太一郎さんの吹き替えとなったか、何ゆえ私の借りたDVDが、吹き替え版のみしかないか謎でしたが、広川節は今や文化遺産だからよし。有り難く拝聴。
相手役小原乃梨子さんの、例の決め台詞ないのが残念だけど、実際にやっておしまうと、このスカポンタン!とT社が怒るのでしょう多分。
「電話にもう出んわ」など、腐敗したオヤジギャグが連発される世界の中心で、広川節が、演じる本人も「この映画ってなに?」とぼやきつつも愛を叫びます。
「イタメシ屋でうらめしや」
「わざとっぽい、ジョーズじゃなくてへたくそ」
「アンハッピー、フトッピー、フロッピーっておい」
「すげえ歯だな、明石家ミックジャガーってかんじ?」
「ゲリラ戦でなくゴリラ戦ってわけ」
本作をみ続けるモチベーションは、次に発せられる文化遺産は何か?です。完全に映画の見方として間違ってますが、他に続ける動機が見当たりません。
とはいえ本作、実は芯の通った映画で、好きになることもたぶん、可能です。
コングのメス化に始まり、徹底して元作から「あべこべ」にしてるんですね。主人公の男の名はレイ・フェイだし、コングを呼び出す銅鑼には、KONG GONGって書いてあるし…ってこれは違うかまんべーるちーず。
コングの行く末も納得で、ラスト銃撃戦のあべこべがアレってのも正しい。本作のテーマは、オリジナルの名セリフにあったKILLではなくSAVEだ!
そしてウーマンリブを叫びつつ、カメラがおっぱいやお尻に寄ってゆくのも、あべこべで大変、素晴らしい!
クライマックス、まさかのちゃんとミニチュアセット作ってるので感動!肝心のコング、『猿の惑星』ジーラにちょい似で、実は可愛…いいと思うぞ!
小原乃梨子さんもノリノリだったけれど、「お客さんがいっぱい!来て満杯!でもおっぱい!だけは隠させないわ!」
…が、一番よかったです。泣けて笑える見事な一撃で、映画が咲きました。
<2012.7.10記>