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宝島のbennoのレビュー・感想・評価

宝島(2018年製作の映画)
4.3
ギヨーム・ブラック監督作品…2作目…。

パリ北西部にあるセルジー=ポントワーズのレジャー・アイランドが舞台…エリック・ロメールの『友だちの恋人』の舞台でもあります…。

そして監督自身が亡き弟と訪れたという場所でもある幼年期の思い出へのオマージュ…。

海水浴気分の味わえる大きな湖…神秘的な森や洞窟など自然を満喫出来るレジャー施設…しかしそれは人工で造られた自然…様々なルールや制約もあるのです…。

今作はドキュメンタリー風ではありますが、あくまでも許可を取った撮影…素人ながらにカメラ目線も無く、撮影を意識してのセミ・ドキュメンタリー…。

広大な敷地の至る所で、様々な出来事が繰り広げられる人間模様です…そして人生悲喜交々…。

始まりは…3時間かけてやって来た子供達…入場料も払えず、ヴァカンス中も両親は必死に働いていると食い下がるも…「未成年はダメだ、大人が決めるんだ!!」…敢え無く撃沈…!! しかしただでは帰れぬ少年たち!! 施設を取り囲む壕のような川を泳ぎ、ちょっとしたアドヴェンチャー気分…無事侵入出来たものの…すぐに見つかり再び撃沈!! しょんぼり座る姿に哀愁が漂います…。

ヴァカンスは万人が楽しいとは限らない…。

他にも様々なエピソード…女性たちをナンパする青年たち…ひとり白鳥と戯れて泳ぐ元教師の老人…武勇伝を語る72歳の男性(実際は20歳の女性に利用されてますっს)…人種も様々…。

また、水上スキーのジャンプ台やピラミッドのような構造物は、マジックアワーの風景ではとても素敵なオブジェと化します…

青年たちがやっていたフライボードはやってみたいなぁ…ただ水に叩きつけられて真っ赤でしたけど…。

また、バックヤードの風景も…入場数や運営をシビアに議論する様子…そして深夜の警備を担うある黒人は元職業訓練校の職員…政府の大臣訪問の際に口にしたひと言で、その1ヶ月後解雇…「私がここに来たのは神のみぞ知る」と人生を反芻します…。

一番お気に入りなのは黒人の兄弟…お兄ちゃんが弟に"色"を教えます…。

« Ça, c’est quelle couleur?? » これは何色??

今作が類稀な、極めて美しい色彩の映像であることも強調します…。

ただし、黒の応えが省略されているのも心憎い…ブラック監督のとても優しい気持ちが伝わります(ブラックなだけにっ笑)…。

   À mon frère Clément
     À l’enfance éternelle

   弟クレモンと永遠の子供時代に捧ぐ


もう夏も終わり…でもやっぱりレゲエ♬
Kingston Town / UB 40 ദ്ദി(ˊo̴̶̷̤ ᴗ o̴̶̷̤ˋ)サイコーˡ̵˖✮



   
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