佐藤でした

さすらいの佐藤でしたのレビュー・感想・評価

さすらい(1975年製作の映画)
4.6
砂埃を立てながら走ってきた車が躊躇なく猛スピードで川にドボーン!そこから男の二人旅が始まる。

地方の映画館にある映写機を修理してまわっている映写技師のブルーノは、沈みゆく車から這い出て来たローベルトを何も言わずキャンピングカーに乗せる。

普段、空いている助手席が、ただ埋っただけ。乗っているのが誰とか何故とか、理由は問わない。そんなブルーノの物事への関心の薄さが、段々と心地よくなってくる。

途中、「無給だし」と言っていい加減な仕事をする若い映写技師と出会う。ブルーノとの違いはそこなんだよね。無償で映写機を直し、無償で車に人を乗せる。そのことに意味なんてない。そうしたいから、そうする。人に見返りを求めないし、特に期待もしていない。

で、気付けば私はブルーノの虜になっていた。女の頬の涙を指ですくって、自分の頬に拭うシーン!これには、どーゆーこーとー♡と床をバッタバッタ叩いてしまった。悲しみを半分にしてあげた‥というより、涙を分けてもらったんだよねきっと。きれい‥と思ったからかな。きゅん

本当に本当に豊かな映画。
E_ _ _ _ _N D
佐藤でした

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