わかうみたろう

ジョアン・ジルベルトを探してのわかうみたろうのレビュー・感想・評価

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正直ボサノバの歌詞についてはほとんど読んでないし、ブラジル音楽の歴史に精通してるわけでもない

けどジョアンジルベルトと彼が歌うサウダージのイメージには凄く惹かれる

ジョアンが退屈に見えてきたとかなぜ会わねば行けないのかとかいう自問をしながらも旅を続ける理由は二人とも自分自身で理解してなかったように思う

最初の人は自殺の可能性もとかいってたけどもしかしたら、ジョアンに会えれば何かがかわるかもと思ったのだろうか

この作品の監督は結局はジョアンと彼を探した人のどっちにより興味があったのだろうか曖昧で、自分自身が探すという流れのなかで時々最初に探してた人に自分を重ねてるようにも見える

自分を他者に重ねたり理由がわからなくなりながらも他者を理解しようとし続ける過程は無意識の自己変革でもあり、謎へと進むことは旅の1つの楽しみでもあるが、監督はどうだったのだろうか

最後には何を想ったのか、なぜ強く惹かれたのか
けど言葉でそれを強く表現しなかった監督もまたジョアンジルベルトのイメージが訳もわからず好きだったのは確かなのだろう

その感覚を都会と自然が隣り合わせのリオデジャネイロという街の映像の旅を通して味わえたのだから、ドキュメンタリーとしてよりも良作のロードムービーとして色んな人に見てほしい

そして、ジョアンジルベルトは存在したというあり得ないような(?)事実というか奇跡に最後圧倒された

オタクであることの無情感と喜び、サウダージが詰まってる