状況が状況なだけに、流れに流れての映画初め。
広く言えば内幕モノだけれど、ノエが普通に撮るわけがない。予告でも明かされ、配給からの注意喚起もあるように、クライマックスの明滅まで修羅場とかした撮影現場が延々と、時に画面を分割しながら映し出され続ける。
さらに、おそらく全員が本人役で出ている。ダルなんか、マイナスプロモーションになったりしないかと心配になるレベルで詰られているので、逆に哀れに思えてくる。それがまた可笑しい。
観賞後に知ったのだが、YSLのアートプロジェクトの一環で製作されたという本作。しかしながら、こうした案件でも温いものを作らないノエはやはり本物だ、と恐れ入った。