一人旅

T-34 レジェンド・オブ・ウォーの一人旅のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

アレクセイ・シドロフ監督作。

二次大戦下のドイツを舞台に、4名のソ連兵捕虜とナチス・ドイツ軍の熾烈な戦車戦を描いたアクション。

ロシアが放つ本国大ヒット戦争アクション。ナチス・ドイツの捕虜となった4名のソ連兵が、ナチス士官候補生が行う戦車戦演習の相手役を務めるよう命じられ、非武装のソ連製戦車T-34を自分達の手で修理した上で、いざ演習本番を迎えるが、捕虜のリーダーである主人公:イヴシュキン少尉は隠し持っていた実弾を使って演習場から脱出し、ドイツから安全な隣国チェコを目指す無謀な作戦に打って出る―という怒涛の戦車バトルムービーで、ナチス将校との通訳を任されたソ連人捕虜のヒロイン:アーニャと主人公の惹かれ合いを物語に絡めています。

前半1時間を使って捕虜4名&ヒロインのキャラクター紹介と隊の結成、T-34の修理と地形把握といった戦車戦演習の下準備を手際よく描いて、残りの1時間で演習本番&300kmに及ぶ脱出劇を活写していく“独ソ戦+戦車映画”で、一輌のT-34と共に運命共同体と化した捕虜達が繰り広げる怒涛の逃亡劇&砲撃戦が迫力&臨場感万点となっています。主人公らが搭乗するT-34は実機なので重量感が凄まじいですし、T-34vsドイツ製戦車パンターの戦車同士の対決が一瞬の隙が被弾と絶命をもたらす緊張感の中で活写されています。また、主人公サイドだけでなく、主人公と因縁のあるナチス将校の執念の追跡といった敵側の視点もきちんと描かれていて、戦時下における二人の特異な関係性は『眼下の敵』(57)のロバート・ミッチャムvsクルト・ユルゲンスのバリエーションにも見えます。

悲惨な独ソ戦を“戦車vs戦車”の構図に絞って活写した戦車バトルムービーで、本映画には約30分の追加シーンを収めた「ダイナミック完全版」という別バージョンもあります。
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