ろく

プリズン13のろくのレビュー・感想・評価

プリズン13(2019年製作の映画)
3.0
映画としたら最低レベルなんだけど監獄実験の倫理の教科書として高校生に見せたらいいんじゃねえのって思ってしまう映画(いやダメか)。

そもそも監獄実験とは。確かスタンフォードだっけ、監獄役と囚人役でバイトを雇い、そのまま生活してもらうと監獄役はどんどんエラそうになってしまい、最後には暴言を吐き、暴力までふるってしまうという実験。

この映画もそのまんま監獄実験なんでちょうどどうなるのかを興味深く見てしまった(業が深いよ、あんた)。

で見ていて思ったのは「そりゃなるでしょ」。あのね、上下が明確に分かれる場合ってほんと暴力的になるんだよ。だってこれ肌で感じていることなんだもん。あ、部活の教員とかほんとそうね。普段の授業では暴言吐かないのに、部活になると「死ね~」とか「ふざけるな」とか怒声が飛ぶ飛ぶなの。まあ最近はそれも良くないってことでやっとまともになってきたけどさ。以前は聞く耳持たなかったもんねえ。

だからさ、やっぱり上下関係ってあまりいいもんじゃないんだよ。どうしても「ひどさ」が出てしまう。僕くらいの世代だと「そこが青春」なんて間違ったこと言う人いるけど、それってそのままストックホルム症候群の亜流なだけだからね。それを美化して「そういうことが人生には必要なんです」いやそんなことないない。それよりはある程度ビジネスライクでいいんじゃないかなぁ。

そう言うと「それじゃ人間形成が」なんて言う人いるけど、あえて言わせてもらおう。そう言っていた昔の高校生より今の高校生のがほんと人間出来てますからね。しかも犯罪率だって昔(1970年代)より今のが圧倒的に少ないのは統計が語っているの。なのに「でも」とばかり個人的な経験論ばかりで語る「上になりたいジャンキー」にはうんざりなんですよ。

だからこの映画観ていかに「上下差」を作ることは醜悪なことなのかと言うことを高校生や中高生にも知ってほしいんです。ってやっぱりダメか。だって一番見てほしいのは生徒ではなく、「怒声」しか能がない教員や親族になんですから。
ろく

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