ゆき

マイ・エンジェルのゆきのレビュー・感想・評価

マイ・エンジェル(2018年製作の映画)
3.7
覚悟

期待と諦めが混同した言葉が続く、荒みきった世界線だった。
焦燥感に心がざわつくが、美しいとも思ってしまった。
「男とハムハムする人」子供目線で見上げれば、母・マルレーヌはそんな人。
それでも愛されようと熱い目線を送る娘・エリー。
8歳の少女の心が孤独で埋め尽くされたとき、瞳は曇り始める。空っぽのプールで叫ぶ少女の姿は、まさにマルレーヌそのもの。目の前の大人の見本に似ていくのだ。
「親のいない子供はゴミ捨て場行きよ」というセリフが一番辛かった。
リゾートのイメージがある南フランスでも、シーズン外は殺風景。
お気持ち程度の夜灯りと作りこまれた遊園地の光。
唯一手を差し伸べてくれる存在がいて、本当に良かった。

***
その日暮らしの母娘。再婚が決まり、希望に満ちていた母親だが、大きな失態により夢破れる。二人の関係は完全に破綻し少女は取り残されてしまう。
ゆき

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