ザリくん

犬王のザリくんのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
4.5
湯浅政明にどっぷりとミュージカルアニメを作って欲しいという夢が叶った。上映中ずっと幸福感が止まらなかった。大傑作。

新解釈時代劇ロック能楽ミュージカルアニメとかいう(意味不明な)ジャンル、世界から評価されてほしい。

手塚治虫「どろろ」の百鬼丸がアヴちゃんになると(森山未來と共に)こんなにポジティブで音楽芸術が爆発した痛快映画になるんだ!と思ったり。

室町の南北朝時代の歴史背景、平家物語、能楽の成り立ち、ジミヘンの類の昔のポップミュージック等を時間の許す限り予習して行きましたが結構役に立ちました。

ライブのグルーヴに自分も参加出来ないの辛い。映画館が空いていたのでこっそり足踏みだけしてた。となりの劇場で別映画の4DX上映がやってたみたいで床の振動が祝福してくれた。

室町時代の夜の暗さと現代の明るい空の対比が面白かった。星の位置とかちゃんと合ってて驚いた。空を見れば時代が見える。

アニメーションでしか成し得ない狂乱のイマジネーションドラマを浴びていたらあっという間に終わっていたので、また欲しい。おかわり確定。虐げられし者達の反逆、見届けようぜ!600年経てもガンガン行くぜ〜


歌詞聞き取れない時「どうせパンフで確認して2回目見るしな…」と見てた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
2回目記録
日本語字幕付きで見てきた。ネトフリ配信を大画面で見てるかのような気分だったが台詞・歌詞・固有名詞を余すことなく理解出来たので非常に満足度が高かった。やはりボヘミアン・ラプソディばりの高揚感の中毒性は健在だった。楽しい!
アニメ「平家物語」をもう一周しっかり見たが、やっぱり本当に悲しい物語で泣いた。この無念の呪いを歌い語り継ぐことで成仏昇華させる希望の600年を鑑賞できてまたしても泣いてしまった。

使い回しのシーンは予算の都合なのか、
それとも「繰り返し描く」という行為が平家物語を何度でも歌い繋いでいくことの象徴的意味になっているのか。(湯浅擁護)
ザリくん

ザリくん