イバ

犬王のイバのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
4.1
●1回目鑑賞
アヴちゃん(『女王蜂』のヴォーカル)と森山未來が主役2人のCV担当、そして歴史上謎に包まれた能役者と琵琶法師の話、ということで興味を持ち、鑑賞。
衝撃だった。。
ストーリーはわかりやすく、映像は美しい上に迫力があり、犬王が観衆を前に物語るシーンは圧巻!まさに室町のロックフェス!!
犬王cvアヴちゃんの圧倒的な歌唱力と多彩な発声技法で、犬王を演じながらも舞台上では「物語る存在」になっている。本当に犬王はアヴちゃんしか演じられなかったと思う。
アヴちゃんの存在感に圧倒され魅了された90分で、観終わったあとに「もっと犬王(アヴちゃん)の声を浴びたい!」と思ってしまった。
すでに沼にどっぷり浸かっていたので、観終わってすぐに2回目鑑賞の計画を立てたのは言うまでもありません。

●2回目鑑賞
2回目は1回目よりもストーリーに集中でき、物語としての『犬王』により潜り込めたような気がした。
そこで感じたのは主演2人(アヴちゃんと森山未來)のキャラクターとの融合率の高さ。
本職の声優ほど上手いわけではない。けれども主役の犬王と友魚と同様に、2人ともクリエイターであり表現者だからか、キャラクターと声に違和感が全くない。「そこに居る」と感じさせる。それほどまでにキャラクターに現実感があった。
主演2人の表現力の高さを改めて感じた2回目鑑賞でした。

●3回目鑑賞
3回目はもう1人の主人公・友魚と犬王の父親に自然と目がいった。彼らへの犬王の影響、犬王への彼らの影響、そして生まれる欲と喜びと苦悩。
自分よりも優れた者が現れた時、自分を表現する手段が奪われた時、大切だったモノが崩れ去った時。
より感情を理解できたのは犬王よりも、友魚と犬王の父親だったと、3回目にして
判明。1・2回目とは違うシーン泣いてしまった。
1回目鑑賞からキャスト・スタッフのインタビューを読みまくってたので、より一層楽しめた3回目鑑賞でした。

● 歌詞字幕付き無発声応援上映鑑賞
歴戦の猛者たちが導いてくれて、新規参加者としては戸惑ってたところもあったので、大変有り難かった!
タイトルクレジットまで、いくつか盛り上がりがあるけど、タイトルクレジット『犬王』が出た瞬間、満場の拍手👏
実際には出してないけど、皆さんの歓声が聞こえた気がした。それぐらいの拍手で、鳥肌ものでした…。本当、感動で震えた。
ペンライトでの合いの手、団扇での応援、手拍子、拍手。
友魚、友魚の父、琵琶法師の谷一、琵琶法師たち、犬王の父、犬王、猿楽の一座・比叡座の楽師たち、足利義満、藤若(世阿弥)、友有座の楽師たちなどなど。全てのキャラクターを愛し、応援するオーディエンス。
作品が楽しまれ、愛されていると。
老若男女関係なく、同士たちと想いが共有できる場所がそこにあった。
コロナ禍でなかなか集まる機会は減っているけれど、歓声を上げずとも、興奮や愛情を表現方法はたくさんあるのだと改めてて感じることのできた時間でした!!
声出しが可能な時が戻ったら是非発声応援上映してほしい!
その日を夢見て、ソフト発売を待ちます😊
映像・音響・音楽・脚本・演出・キャラクター・演者の総合力がすごく高い作品で、この作品を生み出してくれた制作陣に感謝!!!
イバ

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