このレビューはネタバレを含みます
湯浅監督最新作。
公開前にテレビ放送していた同じサイエンスSARU制作の「平家物語」と地続きになっているような視点の話ではあるが、
栄華を極めた貴族の没落を描いた向こうに対し、こっちはロックミュージカルがメインに据えられていて、見せ方が全然違って棲み分けがしっかりしてた。
アヴちゃんの起用は、当て書きされたんじゃないかってぐらい犬王のキャラにピッタリだったし、歌がメインに据えられているので最適解だったと思った。
ライブシーンのアニメーションや、人々の間を縫って進むカメラワークなんかが凄く印象的で、演出かっこいいなぁとしみじみ思ったり。さすが。
2人が出会いからセッションするところから高まって、バディものとしてもかなり良かったのだけど、
最後まで朝廷に抵抗して後世に名が残った友魚に対し、迎合したことで名が残らなかった犬王という構図がなかなか切ない着地だったな。