11月17日から特別再上映として上映されていたので、鑑賞。実在した能楽師「犬王」をテーマにした作品。私自身は南北朝、室町時代に生きていなかったので当時の状況は分からないが、それでもこの映画を見ると犬王という人物がどれほど当時の社会や民衆、そして文化に影響を与えたのかということがよく分かる。映画内での犬王の能楽はさながら現代のシンガーのライブのようなものとして表現されており、このことからも犬王が当時の社会の文化的な面において「変革者」であったことが分かる。現代においての日本の歴史では観阿弥や世阿弥が有名で取り上げられがちであるが本当の歴史というものは記録には残らずとも変革をもたらし、民衆を魅力した犬王のような人物にこそあるのかもしれない。
