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T2 トレインスポッティングのKaitoのレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
4.3
U-NEXTにて見放題作品として配信されていたため、鑑賞。1996年公開の『トレインスポッティング』の約20年ぶりの続編。ユアン・マクレガーをはじめとした主要キャストや監督、スタッフが再集結。ファンにとっては堪らない続編だ。私も1を見てこの作品の虜になった1人なので記憶が確かにあるうちに鑑賞。レントンは20年ぶりにエディンバラに戻ってきた。かつての仲間だったスパッドやシック・ボーイ(今はサイモン)も相変わらずの生活を送っていた。ベグビーはレントンに対して20年前に金を持ち逃げしたことに対していまだに根に持っており、レントンと邂逅し復讐しようと考えていた。身体は大人になっていたが中身はあの頃のままである。それはベグビーやサイモンだけでなくレントンもである。薬物依存的な体質は改善されていたがベグビーの喧嘩っ早い性格はいまだ健在だ。この作品を見ているとまるで自分が彼らの保護者になったような気持ちにさせられる。やんちゃだった子供達が更生し社会的に復帰する様を見つめる。1を見た後に時間を置かずに2を見るとより気持ちが膨らむ。20年前から変わっていないことに対し悲しみを感じる一方で心のどこかでは安心も感じる。安心というよりはやっぱりか、というような気持ちの方が正確である。この作品で私が個人的に1番好きな登場人物はスパッドである。彼は自分たちが過去にしてきたことを文章にし、発表しようとした。この行為は非常に興味深い。自分たちはこれだけクソみたいな人生を送ってきたが今日まで確かに生きている。だから君たちも諦めるな的なメッセージを発信したかったのかもしれない。そう考えるとさらに興味深く感じる。人間はそう簡単に変われるものではない。しかし変わろうとするその意志は肝要だ。人間の生き様とは道標である。
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