はる

ガリーボーイのはるのレビュー・感想・評価

ガリーボーイ(2018年製作の映画)
4.5
俺の時代はきてる!!
インド版『8 Mile』スラムの路地裏からマイク一本で駆け上がる!
ヒップホップを愛してやまない青年ムラドがMCシェールとの出会いをキッカケにラッパーとして覚醒していく。初めて人前で自分の描いたリリックでラップをして、レコーディングをして、トラックメイカーと出会い、MVを撮影してとどんどん駆け上がっていく一方で家族の分裂、そして圧倒的な反対。恋人との確執。生きていく為に車を盗んで金を作る日々。決して順風満帆には行かない毎日。何度も諦めかけて、それでも現実的な夢なんて見てたまるかと自らを鼓舞して、目指すはラップバトルに優勝する事で掴めるNasの前座と賞金100万ルピー!
歌にダンスにと華やかなインド映画のイメージとは異なる本作。ムラドがNasのTシャツを着ている観光客に「これ知ってんの?」と煽られ、すかさずN.Y. State of Mindの一節をキックしてみせるシーンや、現実逃避の為に聴くエイサップロッキー。スラムの連中が集まるサイファーやアップしたMVの再生数がどんどん増えていく様などヒップホップ周りの描写がとにかく丁寧。役者の最高の演技も相まって後半に行くにつれ胸が熱くなります。インドの格差社会への描き込みも豊かで2時間半があっという間に感じました。コレが実話というのがまた泣かせられますね。
はる

はる