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アルプススタンドのはしの方のkojikojiのレビュー・感想・評価

4.4
2020年 日本 監督:城城秀夫
キャスト:小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里

 なんでかわからないけど、最後ずっと涙が出て。若さの燃えかす、まだ残っていたか。

 「アルプススタンドのはしの方」
 この題名だけで、ずっと気になっていた。どんなところに焦点を当てるのか、脚本家の哲学みたいなものが(ちょっと大袈裟)、わかる気がして。「はしの方」いいね。これ。決して場所のことだけじゃないから。

 甲子園地区予選の一回戦。しかたなく応援にきたはしの方にいた四人の高校生。全く興味もない。
 それぞれが、それなりの悩みを持っていて、応援しながら微妙にそれが明らかになっていく。

 「はしの方」から、これまで映画に取り上げられたことのない青春を、全く違う視点で描く。「青春ってそんなことか?」なんかそんな言葉も行き交いしたが、こんなところに、ほんとうにほとんどの青春はある。そんなことを思わせる。

 日本映画の傑作は、ドーンと直接心に響く。この映画はそんな傑作。

#2022-112
死ぬまでに観たい映画マイベスト1000-31
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