Shiori

サヨナラまでの30分のShioriのネタバレレビュー・内容・結末

サヨナラまでの30分(2020年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

たしかに「青春映画(恋愛要素あり)」なんだけど、なかなか良い「音楽映画」だったので敬遠せず観てほしいなと思っていた。新田真剣佑と北村匠海、思った以上に歌が上手かった。

カセットテープを媒介とする二人の名前はアキとソウタ(空きと層)。バンドを取り戻そうとしながら実は新しいかたちで再構築することは即ち、アキを生かそうとしながら颯太を生かすことになった。空き部分に想い出の層が重ねられて人生が上書きされ充実していくのだから、空いていることが決して悪い訳でもないのだ。アキと颯太がふたりでひとつの身体を共有した意味。

また、透明化と具現化の対比も胸に響いた。アキが具現化されたことで颯太が現実世界に具現化され、アキは颯太の中で透明になって存在し続ける、その美しさに思わず目元を濡らした。

バンドの曲もそれぞれの場面を彩る素晴らしい役割を果たしていて、思わず配信リリースで入手してしまった…良い音響の空間で観たい作品。

note↓
https://note.com/keepstayingmh/n/n3d7b2fa32ca4?magazine_key=m1f73de2c54e8
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