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少年の君のeulogist2001のネタバレレビュー・内容・結末

少年の君(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

シンプルに号泣するしかない。映画作品を学生時代から通算すれば数千は下らないほど観てきたある面すれっからしのオジサンだが、恥ずかしげもなくおいおいしてしまった。(もちろん声を殺してではあるし、オジサンになったから涙もろくなったところもあるし、さらには経験を積むほど純粋さやシンプルさに弱くなる笑)

特に面会シーンは言葉もなく表情だけだが、紛れもなく胸に迫る名シーン。二人の演技が素晴らし過ぎる。ストーリーよりも演技を見つめ、想像する映画だ。文学も映画も会話がなくても泣かせる作品が好みなんだけれど、これには参った。

偏見なくこころを開いてじっくりとスクリーンの世界に浸ってほしい傑作。

良い意味でこちらの偏見をキレイに裏切ってくれた。現代中国の映画、刮目すべし?

・中国の厳しい検閲を受けたものだから、勧善懲悪や儒教的な倫理が強かったりしないのか?
→上手に良い加減にくぐり抜けてた。極めて巧妙に。
・法律なども恣意的に運用していないのか。
→本作ではその気配を感じなかった。
・悪役や暴力については表現は柔らかいのでは?
→想像以上にえげつない。韓国映画のレベルには至っていないけれど。
・国家的な価値観の押し付けはないのか?
→ラストに作品の問題への対策がテロップ的に流れた。ご愛嬌だろう。
・世界の中心で愛を叫ぶを真似てるようにも見えたがそこはさらにひねってある。
・バイクに乗るシーンや階段から転げ落ちるところなども含めて、多々、既視感に苛まれるがあらゆる表現は完全にオリジナルなシーンはあり得ないと考えよう。
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