ホロコーストにまつわる戦争犯罪被告の裁判は今も行われているが誰もが高齢になり最年少は92歳だとテロップが流れた。
このドキュメンタリーが作られたのは3年前だから今は95歳になっている。早く見つけなければ無罪放免になり死者が浮かばれない。
終戦後、ナチスの犯罪を裁く裁判が開かれた頃も今も、ホロコーストをなかったとするドイツ人識者が大勢いることに驚く。
生存者の証言や積み上げられた死体の山、収容所の写真等から事実だと推測するのは妥当なことなのにだ。
戦争を終わらせるために、原爆を投下したとする米国の言い分にどこか似ている。
ドイツ人の精神安定のために、同胞が起こした過去の犯罪をなかったものとして認めたくない心理は分からなくもないが、認めて楽になりたいとは思わないのだろうか?
戦争が人の心を侵食して異常な行動を取らせた結果、残酷な殺戮が行われたとしても、その数が尋常じゃなく、ユダヤ民族を根絶やしにするほどの規模なので、これは戦争の名を借りた国家犯罪だと思うし怒りしか感じない。
ユダヤ人に向けられた、いわれのない憎悪感情が悪魔のような大量殺戮を起こさせたのが理由で彼等に反省は皆無だ。
作中、被告である“アウシュヴィッツの会計係”が高齢であるために人々の同情を買う結果になっているが騙されてはいけない。悪事に加担したことは紛れもない事実なのだから。
判決を有利にするためか?隠し事なく話しているが『ごめんなさい!』の一言がないことが余計に腹立たしい。
下された判決は懲役4年。軽すぎると思うのだが懲りもせずに再三上告し棄却され、結局収監されることもなく死亡した。
難を逃れて生き延びたユダヤの人々はこんな茶番で納得するのだろうか?
私の方が悶々としてしまう。