スクリーン2番

ブラック・レインのスクリーン2番のレビュー・感想・評価

ブラック・レイン(1989年製作の映画)
3.7
いろんな方の感想を読んでると松田優作を目当てにこの映画を観たという人が多いような気がする。実は俺もその1人。
病魔に侵されて先が短いことを意識しながら撮影に挑んだ松田優作の遺作。永遠なれ。

この俳優が出ているから観るんだと言わせる俳優が今の時代どれだけ居るのか。若手アイドルが主役の恋愛映画で、そのファンが劇場に駆け込むのとはもちろん違う。なんていうんだろう。松田優作や高倉健のような日本人俳優が今後生まれるのだろうか。

外国人監督は東京ばかり撮影しがちなイメージだが今作は大阪。大阪には東京にない力強さというか、生のエネルギーが満ちた土地という感覚がある。つまり刑事がヤクザを追う緊迫したシーンが続くアクション映画にはスカした東京ではなく大阪という土地がうってつけという事なのだ。
反対に東京は切ないストーリーが似合う街というイメージ。土地が持つ雰囲気の違いというのを考えながら今後映画を観ていくのも面白いかもしれないと思った。

ストーリーは王道で、あえて悪く言えば捻りがない。しかし単純なストーリーであるが故、豪華俳優陣の演技に集中できるという考え方もできる。何事も一長一短。

ダークナイトで言えばジョーカー
ブラック・レイン松田優作。時として主役を食っちまう助演男優賞を個人的に差し上げます。スーを差し上げます。スーススー。