ユースケ

ブラック・レインのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・レイン(1989年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

リドリー・スコットが作り出した大阪の街は、サイバーパンクなネオ大阪だった…

とにかく、高倉健、マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシアという豪華な俳優陣を全て喰らい、それまでの日本人のイメージをぶち壊し、十年に一度の悪役と称された松田優作の鬼気迫る演技が素晴らしい。
遅刻しそうな時はいつもエンコ詰めした小指を痛がりながら必死の形相でバイクを転がす松田優作とシンクロさせていただいております。

Ray Charlesの【What'd I Say】を歌う高倉健とアンディ・ガルシア、日本刀から火花を散せアンディ・ガルシアを首チョンパする松田優作、マイケル・ダグラスにメンチを切る若山富三郎、爆発をバックに見事な散りっぷりをみせる安岡力也と島木譲二など、みどころ盛り沢山なのですが、一番のみどころは、高倉健とマイケル・ダグラスの張り込みシーン。市場の屋台でおばちゃんに箸の使い方を教わりながらうどんをすするマイケル・ダグラス、酒を酌み交わし互いを認め合う二人の男、余韻を残すように映し出される朝の屋台のカットはたまりません。

Gregg Allmanの【I'll be Holding On】をバックに、マイケル・ダグラスと高倉健が握手を交わすラストシーンは号泣必至。息子へのプレゼントだと言って高倉健にこっそり行方不明の偽札の原板を渡すマイケル・ダグラスと偽札の原板のサプライズに気付いて「ニックさん!」と叫んではにかむ高倉健から溢れ出す男汁に溺れて死にたい。

内田裕也、國村隼、ガッツ石松、そして、謎の東洋人アル・レオンの活躍もお見逃しなく。

ちなみに、撮影はヤン・デ・ボン、音楽はハンス・ジマーです。