幽斎

ドール・メーカーの幽斎のレビュー・感想・評価

ドール・メーカー(2017年製作の映画)
3.0
原題Rock Paper Dead、変な英語だなと調べたら米国公開時のタイトルはROCK, PAPER, SCISSORSで納得、日本で言うジャンケン。アメリカでは異様な進化を遂げており、ジャンケンをやろうとすると「何手で?」と聞いてヤル。3手の日本と違い、5手Rock Paper Scissors Lizard Spock別名拡張ジャンケン。大学生辺りだと7手RPS7、意味分らん(笑)。

Tom Holland監督御年76歳「処刑教室」「サイコ2」の脚本を手掛け「フライトナイト」「チャイルド・プレイ」を生み出したマスター・オブ・ホラー。私はスリラー派なので「スティーヴン・キング 痩せゆく男」がマイベストですが、それから長編を撮って無い事に驚いた。短編集「Tom Holland's Twisted Tales」が期待ハズレで、21年振りの長編もダメだと思ったらその通り。ホラーは時代の合わせ鏡の要素も有るので、時流を捉えた感性が無いと苦しい。「13日の金曜日」の脚本家Victor Millerが製作、彼も79歳なので最後の同窓会ムービーと言える。因みに知的財産権の改正で、James Cameron監督と同じく著作権が戻る権利が発生し「13日の金曜日」の続編が今メッチャ揉めてます。

また主演じゃないMichael Madsen、大好きな俳優で確かな存在感と演技力が有るのに、いい仕事が回って来ない。「ヘイトフル・エイト」の様に周りを売れっ子と名優で固めても、しっかりアピール出来るのに。まぁお姿を観れた事で良しとしよう。世代じゃないけど僅か10歳でオスカー助演女優賞を受賞したTatum O'Nealも出てる。先輩が「老けたなぁー」と言ってますが、毎回思うのですが、そういうお前はどうなんだと(笑)。

邦題のDoll makerは直訳すると人形技師の事ですが、本当の意味は魔法人形。自分好みの球体関節人形を造るディープでマニアックな意味も有る。と言うトリビアが本編に全く関係無いのが意味不明。原題の「じゃんけん」にしても、結局は○しちゃうので意味が無い、そして怖くない。このジャンルはとりあえずゴア描写が観れたからOK!な寛容な人が多いのに、その期待に全く応えて無い。殺人鬼の闇の部分も説明不足で、とても2017年製作とは思えないセンス。導入部は面白いが、完全に中折れ状態。不気味さが色んな意味で薄味、京都の出汁じゃ無いんだから(笑)。

スリラー派の私の感想は「サイコ2」の焼き直し。ホラー派の友人は意外と満足してたので、愛嬌の有る作品なのかも。
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