夫の実家に帰省した夫婦探偵が、風車の絵画を追い求めている有象無象の輩に遭遇してしまう。夫婦探偵(とペットの犬)をフィーチャーしている、喜劇調のミステリー映画第5弾。ダシール・ハメット原作。1943年にシリーズ監督が死去したため、交代している。
第1作目から、リアルで10年経過。主人公夫妻は、休養のためシカモアに帰省するのだが、町人たちは「捜査に違いない」と思い込む。風車の絵画を手中に収めようとしている謎の男女コンビも、「探偵が追ってきている」と勘違いするところが面白い。
まだ真相に辿り着いていない夫が、自宅に飾られている重要アイテム「風車の絵画」を素通りする。画家殺害事件を捜索する夫と、絵画の現物をめぐるスッタモンダに巻き込まれる妻。その両者の言動を平行線で辿るところが醍醐味。
町の有力者が「この町は平和だから、拳銃なんて誰も持っていない!」と豪語するのだが、実際に持ち物検査すると、ほとんどの人が携帯しているズッコケ展開が秀逸。住人たちがバラバラの方向をむきながら、色々とやらかしちゃってるところが笑える。