まえじま

ソー:ラブ&サンダーのまえじまのネタバレレビュー・内容・結末

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2022年66本目。

想像してた展開とは違ったけどこれはこれでアリ。

「ソー/ラグナロク」(バトルロイヤルとは絶対呼びません)の方が脚本や話の展開は上手だったけど今作は割と挑戦的な議題だと思った。

「やられたらやり返す、倍返しだ!」の精神のアベンジャーズ・シリーズの中であえて復讐を選ばず、愛する者と1秒でも長く最後の時を寄り添うというソーの選択はこのユニバースに新たな風を吹き込んだと思うし、PTSDに悩まされ、復讐心のあまり感情に身を任せてサノスの頭を斬ったり酒に溺れてた彼がここまで成長したことにとても感動した。

話の展開としては前半はタイカ監督らしさが出ていたと思うけど終盤はもうクリス・ヘムズワースならではの展開だった気がする。子供たちを勇気づけてゴアに立ち向かったり、最後はシングルファザーとして養子の面倒をみたり、親である彼だからこその子煩悩さが出ていてとても良かった。

深くは無いかもだけどどんな人種であっても闘う気持ちがあればアスガルド人になれ、スーパーヒーローにもなれるっていうとても勇気づけてくれるメッセージ性があってとても良かった。

どんなに尽くしても来世では報われないと絶望するゴアとの対比で一般人のジェーンが名誉の死を遂げてヴァルハラに行くのはとても良い。

ビジュアルに関しては前作を凌ぐクオリティ。3D効果かわからないが。特に影の国で雷や稲妻との色の対比が鮮やかでとてもカッコよかった。ストームブレイカーの方が映えるのでムジョルニアにあまり嫉妬しないで、、(笑)

正直クリス・ヘムズワース演じるソーは今作で引退し、ジェーン・フォスターへと引き継がれオリジナルメンバーの立ち位置が全員女性になる気がしていたので、ソーが続役ってなってとても嬉しい。クリヘムにしかできないし、まだストーリーはいっぱいあるし、生涯ソーでいて欲しい。

クリスチャン・ベールは良かったけどネクロソードの恐ろしさや蝕まれる姿をもう少し見たかった。シンビオートとの関連性やもう少し掘り下げるところはあったと思う。

だけどソー関連はお家騒動が多く、巻き込まれる部外者が気の毒に思うことが続いたので、痺れを切らして神なんて自分勝手でいらない!って思うのの無理ないよなと。

ダーシーやセルヴィグが復帰したり、マーベル・ワンショットでソーとグランドマスターとルームメイトだったダリルがまさかの出演だったり、完璧な作品ではなかったけど重い作品が最近多かったMCUの中で単純な娯楽作として楽しめたし、「愛」というシンプルなメッセージを一番枯渇していたソーというキャラクターを通じてカラフルに伝えていてとても良かったです。

(追記)ヴァルハラを登場させてしまうと死の意味が薄くなるって意見を多々見たけど多くのものを失って喪失感に溢れるソーがいつか訪れる彼の死の後にヴァルハラでジェーンやロキ、ハイムダル、オーディンと一緒に宴を開いたり幸せな時間を過ごしてるって思うと涙が止まりません僕は。
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