"真夏の大冒険"
MCU第29弾。
舞台は『エンドゲーム』のその後。
いわゆる「BIG3」の中で唯一現役のスーパーヒーローであるソーは、ご存知ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々と行動を共にしている。
とある一件でチームから離脱したソーは、元カノ…もといジェーンと運命の再会を果たす。
しかも、同じ「マイティ・ソー」として。
そんな再会を果たしたソーとジェーンは、全ての神を殺す剣・ネクロソードを手にした、”神殺し”の異名をとる<ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャー>との神バトルへと挑むこととなる…
✏️銀河の守護者たち
やたら情報量の多い回想から幕を開ける物語冒頭。
『エンドゲーム』の自レビューにて、ガーディアンズの面々とソーの活躍が楽しみだ~といった旨のことを書いたが、ようやくスクリーン上で彼らの活躍を拝むことができた!
もうこれだけで感無量。やはり映画館で見るMCUは一味も二味も違う。
一心不乱に銃を撃ちまくるネビュラ、何かをへし折るドラックス、相変わらず悪態をつき続けるクラッシュ、アイアムグルート、不思議ちゃんのマンティス、そしてリーダーのスター・ロード。
作品全体からするとガーディアンズの登場時間はごくわずかだったが、またいずれ銀河で活躍する彼らの姿を拝める日が来ることだろう。
✏️愛が全てさ
物語全体を通して、タイカ・ワイティティ節炸裂!…と言った感じ。
ソーたちの軽妙なやり取りや、どこか間の抜けた会話劇を楽しむスタイルはソー単体としての前作『バトルロイヤル』にも似た趣がある。
バトルシーン。
特筆すべきシーンは個人的にあまりなく、唯一胸が躍ったのはソーの力を分け与えられた子どもたちが、さながら『エンドゲーム』のごとき白兵戦を演じてくれたあたりか。
そして本作を語る上で欠かせない…「ラブ」。
過去のソー単体作品でも幾度と描かれてきたロマンス要素だが、過去作ではどうにも大味かつ中途半端でありがちな印象だった。
しかし、本作ではしっかりと良い意味での「お涙頂戴」をやってのけている。
✏️ナタリー・ポートマン
『ダークワールド』以来、ほぼ10年ぶりのMCU復帰となった彼女。
その美貌は衰え知らずで、いやはやなんともお美しい…
彼女のご尊顔に夢中になるあまり、何度か字幕を追うのを忘れることもしばしば。
ビジュアル面だけでなく、演技力もさすが大女優。
「マイティ・ソー」としてのジェーン。
ムジョルニアを手に携え、ヴァルキリーにも負けぬ勇猛果敢なファイトスタイルは本家・ソーも思わず舌を巻くレベル。
彼女のあのたくましい上腕二頭筋は、合成などではなくご本人のものだろうか。
だとしたら、細部の役作りにまで余念がない。
「ジェーン博士」としてのジェーン。
眼窩は深くくぼみ、顔はやつれ、ソーとして君臨している時の力強さは影も形もない。
それもそのはず、ステージ4のガンに身体を蝕まれ、余命いくばくもない状態なのである。
ソーと別れてからの日々を後悔していたこと、今もソーを愛していること。
ジェーンが本当の思いをソーに打ち明け、自らの身を挺してソーの勝利をサポートしたのは、単に死期が迫っていたからなのか、あるいは…
正直クライマックスの展開までは、「このままコメディ風の感じで最後まで行くのかなぁ~」なんてノンキに構えていたがとんでもない。
ソーとジェーンが見せる愛の形に思わずホロリ。
間違いなく、この映画のMVPはナタリー・ポートマンその人だろう。
ちなみに、ダーシー・ルイス役のカット・デニングスが出演していたのも個人的には高ポイント。
☑️まとめ
個人的には大満足な内容だったが、さすがのタイカ・ワイティティ節だけあり賛否両論が飛び交う様相。
たしかに、MCU作品としては派手さに欠けるし、少しおふざけが過ぎるように感じるシーンや展開もないではない。
ここらへんは個人の好みによるところが大きいだろう。
”ラブ&サンダー”。
雷に打たれたような恋に落ち、別れを経て真実の愛を知ったソーとジェーン。
タイトル発表時は何かと揶揄されたものだったこの言葉の本当の意味を知った時、あなたの「真夏の大冒険」が幕を開ける。
🎬2022年鑑賞数:83(35)
※カッコ内は劇場鑑賞数