よーすけカサブランカス

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

3.5
チャドウィック・ボーズマンの死というあまりに悲しい出来事に対するフィクションとの境目を超えそうな弔いの場面は見ててなかなか込み上げるものがあった。のだが、それでもアイアンハートを登場させ、ブラックパンサーの継承をこの一作でちゃんと済ませたことに対して、「主演俳優の死があってもMCUのストーリーは止まらないんだな」みたいなことはどうしても考える。スタッフの心身の苦労は計り知れないしチャドウィックもMCUが続くことを望んだかもしれないが、なんか、そんな綺麗に終わってええんか、とは思う。
ネイモアと水中帝国も、欧州人のアメリカ大陸侵略、という歴史に触れながら、ブラックパンサー継承を復活させるためのギミックを提供したに過ぎない、みたいな気もしてくるし。
こんだけ言いながらこの点数にしたのはママ役のアンジェラ・バセットの演技が素晴らしかったからで、悲しみと怒りに震えながら議会で叫ぶ姿はすごいやら痛々しいやらで。なので僕は彼女こそ、息子を失った母という姿こそ、この物語の主軸にするべきと思ってたのだが。なんかアイアンハートの戦う理由に上手く使われた感はある。
最後に息子が出てきて王の息子、と名乗ったのも別にシュリのブラックパンサーはただの繋ぎですよ、と言われてる感じがした。