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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのEiのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ブラックパンサー1作目を見るだけでおっけー。ドクターストレンジみたいな置いてけぼり感を味わうことにはならないです。

ここ最近のマーベル作品と比較すると、ディズニープラスのドラマ作品との繋がりがないにもかかわらず見ごたえのある作品になっている。

大方、シュリにフォーカスを当てた話です。一作目同様、国の統治者・守護者としてなにをするのか(すべきか)という動機付けの部分。一作目は父の死、今作では兄の死とどう向き合い、その事実とどのように共生していくか。(死ぬことは終わりではない、という民族に根付く思想・習慣を受け入れて。)
兄を失ったシュリが、父を失ったティ・チャラと似た葛藤を辿っているようで、常にティ・チャラを感じられる。

話の大筋は一作目とは変わらないのかもしれない。でもそれを感じることなく観終わった。全体を通してシリアスだったけど、緩急があって上映時間の長さも感じられない。

シュリに対する同情が止まらない。家族を奪われて復讐心に燃えるシュリが船上で大声を出して配下を鼓舞しているシーンは涙が出た。こんな感情に囚われたまま、ここまでの重責を負わなければならないのか…

ネイモアも失ったものはあるわけで、ヒーローとヴィランは紙一重だと見せつけられた。(そもそもネイモアを絶対悪のヴィランとして見ることも難しい。)
敵らしい敵はいない。思わず同情してしまうだけのバックグラウンドがあった。

チャドウィックボーズマンとティ・チャラを同化させるような描写がある等、哀悼の意がよく含まれている作品ではあるが、本筋を邪魔することはなかった。
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