takanoひねもすのたり

ダーリンのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ダーリン(2019年製作の映画)
3.0
狼少女ジェーンや……
(@ガラスの仮面)

人語を話さず凶暴な野生児(つかホームレス)の少女ダーリン(ローリン・キャニー)が病院で保護され修道院に引き渡された
ある思惑からシスターのジェニファーにダーリンの教育を任せた司教だったが、修道院で生活を送るにつれダーリンは言葉を話すようになりいつしかシスターの間には絆が生まれていた
カニバ少女更生物のような実はリベンジ物

MV的なエンディングの曲の歌詞にあるように「私の体に勝手に触るな」というのが伝えたいメッセージみたいなものなのだろうと思う  
児童虐待者(特に聖職者)への批判とフェミニズム的な視点から自分を(様々に)侵害してくる他者への怒りみたいなもの

小児性愛者の司教の性虐待+処女厨振りがなかなかのキモさを出してた
どうせなら、ちん◯噛み切るくらいはして欲しかった気がするが、そういうシーンは至らず、そういう場面にも至らず
あの一撃で仕留めて終わるなら、ダーリンは寧ろ優しいと思ってしまったw

野生の女(ダーリンの育ての親、ポリアンナ・マッキントッシュ)を物語に絡める必要があったからだと承知だが、ダーリンと修道院の話に絞ったほうが物語が分散しなくて良かったのではないかと思う
全体を通すと散漫になってる印象が強い

特におざなり感が強いのは野生の女パートで、彼女とその同士達が修道院に乗り込んでいく流れ(あんなに気炎を上げてたのに……)が最後は単なる賑やかしに終わってしまっている
しかも彼女らに社会的弱者で母親が司教に反撃するというフェミニズム的な意図を背負わせているのに、尻すぼみが甚だしい
いいのかあんなんで😅
 
ダーリンを演じたローリン・キャニーがめちゃくちゃ可愛いかった

修道院のみんな(女の子達)に妊娠がバレた夜の、修道院の双子ちゃんのHowto墮胎を一気に語りだすシーンは好き
あそこだけリズミカルなテンポ、あと女の子達の様々な諦観が出てた(と思う)

原作を未読なので正直なところよく分らないけれど、カニバリズムとフェミニズムの食い合わせの悪さを感じる作品だった