naoco

ハリエットのnaocoのネタバレレビュー・内容・結末

ハリエット(2019年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

史実としては偉大な話であるのだが。創作映画としては、わたしの感覚では相容れない部分もあった。

ミンティの意志決定はなんであんなオカルトなのか。神の声に従って行動した先で、期待とは違う事実が待っていてもそれこそが神の声だったと読みかえて納得してしまっていいの? そうしてこなければ“正気を保てなかった”ってこと?

坊ちゃまがミンティ個人にどえらく執着していた理由……薄々予感してはいたのだが……いいのかこれで……。

細かい部分どこまで脚色なんだろうなあ。うーむ。

そして、ジェンダー観のこじらせも気になった。
マリーの「男でもあなたほどの事を成せる人はいない」「立派なことを成したあなたに男なんて必要?」みたいなセリフとか、「武装軍を率いた稀な女性として認められている」といったテロップ説明とか。
男並みの(もしくは男を越える)偉業を成し遂げたから彼女が後世で評価されているわけではないよね? 性差別を“男並み”になることで乗り越えようという姿勢は2019-2020年の表現としてはもやもやした気持ちになる。

また、先述の坊ちゃまの執着の理由も、ミンティと夫の関係も男性不信的な印象がある。
このへん会話が噛み合っていないような部分もあって、それがもしかすると黒人差別と性差別を重ね合わせて描いているのかもしれないけれども…消化不良感が残る。


志を同じくする“持てる者”に対して、当事者の立ち位置で演説ぶつシーンはよかったです。
naoco

naoco