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ハスラーズのdojiのネタバレレビュー・内容・結末

ハスラーズ(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

実話をもとにした映画として、デスティニーを語り部に、ジャーナリストの存在を媒介として彼女たちのストーリーに耳を傾けるという構成が見事だった。ラモーナとの出会いを通したことの成り行きをたどるテンポの話運びにはのめり込んでしまうし、なによりジェニファー・ロペスの存在感が、まるで『ファイトクラブ』のブラッド・ピットのように鮮烈だった。

ときどき現在地として示される取材シーンから感じる、失われてしまった時間の重みと、ラモーナとの間に生まれてしまう距離の描き方も、こうならざるをえなかったこととしての悲しみが、とても静かで上質な語りを通して描けていると思う。リーマンショックという歴史的な大きな出来事をまたぐ年月を、じぶんたちなりのやり方で確かに生きた彼女たちの記録として、とてもいい映画だなと思う。シスターフッドということばをここのところよく意識するけれど、その美しさでいっぱいだった。
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