スカポンタンバイク

アラビアンナイト 三千年の願いのスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

3.7
物語についての物語。

この手のテーマは先日の「バビロン」があったので、相当食傷気味だった。タイミングが違ってれば、印象も変わるかもしれない。

と言いつつ、前半〜中盤のイドリス・エルバの物語りは起伏がなく、寝落ちはなかったものの、終始頭がボヤッとした状態にさせられた。
ただ、後半のティルダ・スウィントンとの物語はティルダが主観に来たのもあり、物語としての盛り上がりが取り戻されたと思う。
前半でティルダが自身のイマジナリーフレンドの物語を燃やしたという所から、この映画での物語は炎で象徴され、最後にはその炎を取り戻して物語を完成させるという、構図としては普遍的なものがあるのだが、その辺があんまりエモーション的な中心に来ていないため、どうにもどこを観ていたら良いのかに迷わされる映画だった。
観終わった後「怪物はささやく」を思い出したが、あれは正に主人公のテーマがエモーションの中心にある作品だった。どっちが好みかと聞かれれば、「怪物はささやく」かなぁ。
ただ、願い事を叶えてからの話は可愛くて好きだったので、ちょっと点数はおまけ。