スカポンタンバイク

クラメルカガリのスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

クラメルカガリ(2024年製作の映画)
2.8
なんだろう...。
まず、61分の作品2本を同時公開するのであれば、2時間2分の2本立てとして公開する事はできなかったのでしょうか?というのは思わずにはいられないですね。それができないなら、せめて60分以下に仕上げる事はできたでしょう。それを超えてるために通常料金×2というのは、ちょっと阿漕なんじゃないかと思ってしまいました。

そもそも、同じような世界観で2本作るというのは、そこまで意義があるのかというのも疑問。筆者は「クラメルカガリ」の方しか観ていないのですが、観た感触としては、キャラクターや話にはそこまで興味がなくて、大正ロマン×スチームパンクな世界観とメカを描きたいのかなぁと思いました。であれば、2時間の作品を1本にして、もっと世界観のディテールを深掘りして生活感のリアリティを拡げてくれた方が良かったんじゃないかと思いました。例えば、この箱庭は落盤が日常的に起こるわけですから、その修理に特化した建築家や落盤の影響を最小限に抑えるための街づくりなどの、この箱庭独特の文化と発展みたいなものをもっと観れればなぁと。主人公がせっかく地図作りが好きな女の子なわけなんですから、そういう街紹介パートで楽しませるみたいな事があった方が、勝手にキャラクターの掘り下げにも繋がるし、映画全体の見どころが増えると思いました。
個人的には、このスチーム感は「グラビティデイズ」を思い出す感じがあって好みではありました。世界観ものは、そのディテールを全力で楽しめればストーリーは重要ではなくなるというのは、偉大なる監督の「マッドマックス/怒りのデスロード」が証明していますので、そういう振り切りをもっと観たかったなぁと思ってしまいました。