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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのMROのレビュー・感想・評価

3.0
元ネタの人物やイラストを知らない状態で鑑賞。「この映画どう受け取って咀嚼すればいいか分からん・・・・・」と思いながら不安な気持ちで見てました。息苦しい人生だった印象を強く受けたのですが、エンディングで多くの猫や自然が描かれたルイス・ウェインの実際の絵を見て初めて、彼の目に映る世界は美しかったのではないかと思えるくらい、愛おしさ溢れる絵でした。びっくりしました。

私も去年迷い猫を保護してからすっかり猫が大好きになってしまったので、猫が人間と共により幸せな人生を歩めることを切に願ってるんですが、国を超えた多くの人々が"家族"として猫を愛する現在を作った人がこの人なのかもしれないと思うと知れてよかったです。誰かの価値観を変えるほどの魅力的な絵を描くってすごいですよね…。絵を上手く描くコツは「見ること」だと作中で言っていました。やっぱり、息苦しい人生だったとしても自分が描くために見るものの面白さや暖かさや優しさの質感をしっかり捉えていた人だったのかなと。

実話ベースとはいえどこまでが事実で演出なのか分からないのですが、wikiを見ると奥さんと夫婦として過ごした時間がたった3年だったと知って驚きました。もっと穏やかな時間があって欲しかった。

あと20〜70代までを演じきる俳優さんのお芝居が見事でした。悪夢や妄想の数秒しか映らないちょっとしたカットにもしっかり手が込まれてて感心しました。
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