今まで映画やドラマで見たことある俳優さんがたくさん出演されてて嬉しかったです。
韓国のサスペンス映画によくある血・暴力・嘔吐物など目を伏せたくなるような汚いシーンが無いのも特徴的に思いました。
人身売買なんてことをしているのにみんな人柄が優しくていい人で、変てこな面子で擬似家族を演じている姿がおもしろく、笑える場面も多かったです。
人物それぞれの不幸さがどうしようもなく、家族のように支えてくれる存在もいない。それでも、他人の「生まれてくれてありがとう」という形だけの言葉がこころを揺らしている場面は切なさがありました。
いくら実の母親とはいえ、子供にとってかけがえの無い父親を殺した人間と共に暮らしてその子は幸せになれるのかどうか。子供を望む他人の夫婦に売る方がいいのか。とても難しい問題だと思います。ただ、どちらを選択してもそれは母親のエゴなんじゃないかと思いました。
子供自身に生きる環境を選ばせる、余裕のある優しい最後で良かったです。その余裕を作るのはそこに関係しているすべての大人たちなんですよね、母親だけじゃなくて。
許せないことも自分の中の絶対的な正義もあるはずだけど、自分にとっての幸せや出来ることを踏まえつつ人の境遇や気持ちを汲み取って、最高とは言えなくても一番だと思える方法を探した結末が良かったです。
みんながなるべく幸せになれることを祈らざるをえない映画でした。