映画館で見てこそ、映画館で見て良かったー！って作品とは正反対の、自宅でテレビ放送されてたから見たみたいな映画だった。教科書通り綺麗にフォーマットに則ってる構成と展開で初めて見た気がしない。面白いつまらない以前に子供の頃にテレビ放送された映画を楽しんでた懐かしさがこみ上げてきた、というのが言えるギリギリのライン。映画に夢中になる感覚はなく、今映画を見ているなぁという一歩引いた感覚だった。
前作はめちゃくちゃ好きだったんだけどなー。エンドロールを見ながら、前作のことばかり考えていたので早速前作を見返してみたんだけど、同じヴェノムで似たような軽さなのにやっぱ全然違った。
誕生譚がゆえにヴェノム寄生前のエディの凋落やヴェノム登場の展開など、ドラマ的に色々盛り沢山で見せ場がたくさんあるとは言え、リズムもいいしシーンの端折り方も絶妙だしギャグも笑えるし音楽も良いし前作は良くできてるなぁと改めて感心した。アクションも単にアクションシーンで終わらず、ヴェノムの登場だったり、エディとヴェノムの共生のきっかけだったり、「we are VENOM」に成るための共闘だったり、ホラー調で凝っていたりそれぞれにドラマ的な意図が含まれているからスッキリと整ってる。何よりも敵キャラの存在感が違う。改めて1作目を見て、なんて絶妙なキャラなんだろうと感動すらした。ウディ・ハレルソンのことがあまり好きではない上、予告を見すぎて食傷気味だったことを加味しても記号的過ぎるキャラだったように感じる。背景も全然入ってこないし、単に敵として存在するために出てきただけのキャラみたいな。
今回は楽しむ以前に、意図が透けて見えてしまって余所事状態だった。ウケてるみたいだからハマる人にはハマるんだろう。私はもう見なくていい。
