Nana

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his(2020年製作の映画)
3.9
逃げることや諦めること、意地を張ることをやめる話。


「普通」を普通だと思いこむ人々からの偏見や、「普通」であれない自分が周りを傷つけることへの苦しみ。
安易にその苦を乗り越えるのではなく、受け入れて解放していく描写が丁寧に紡がれていた。

迅と渚は、偏見を持たれてしまう側の持つ"世の中への偏見"をも乗り越えていく。その点が、ただの弱者の物語ではない。


家の中なのに居心地が悪そうな(背が高いから)迅の姿がだんだんと周りに馴染んでいくお芝居が素晴らしかった。

結婚制度だとか離婚調停だとか、既存のモノへの厳しい眼差しも垣間見えた。


「普通」ではないことを受け入れるやわらかさに、年齢も性別も関係ない。
Nana

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