政治の腐敗に挑む理想に燃える青年の姿を描いた、フランク・キャプラ監督による社会派ヒューマン・ドラマの傑作で、彼の代表作。
原作はルイス・R・フォスター(Lewis R. Foster)の「ミネソタから来た紳士」。
原題: Mr. Smith Goes to Washington (1939)
ある州の上院議員が急逝。不正なダム建設案を通すため、黒幕で州財界のテイラー(エドワード・アーノルド)のもと、もう一人の上院議員のペイン(クロード・レインズ)たちは、操り人形として、政治にはずぶの素人・少年レンジャーの隊長ジェフ・スミス(ジェームス・スチュアート)を上院議員に祭り上げる。
スミスは、ジェファーソンやリンカーンを信奉する理想家で、女性秘書サンダース(ジーン・アーサー)の協力を得て、故郷のウイレット河一帯に国立少年キャンプ場を建設する議案の起草を目指す。
その場所がダム建設地と同じとわかったテイラーたちは、マスコミ操作などあらゆる手を使って、権力によりスミスを潰そうとする。
「故郷の子どもたちに何と言えばいい?"僕の言葉は忘れろ。理想なんてまやかしだ…"
そんなことは絶対しない」
ラストの24時間ぶっ続けの議会での演説は圧巻で、ジェームズ・スチュアートの熱演が光る。
彼に想いを寄せるようになる、ハスキーボイスで美しいジーン・アーサーは、はまり役。
スミスを暖かく見守る上院議長の ハリー・ケリーや、サンダースに想いを寄せる記者の トーマス・ミッチェルもいい味を出しています。
そして、スミスを応援して活躍する少年レンジャーや議会のメッセンジャー・ボーイたち、子どもたちが影の主役で、未来への希望です。
現実はこんなにうまく終わらないと思って、キャプラの映画を見てはいけませんよ。