あばばば

銀魂 THE FINALのあばばばのレビュー・感想・評価

銀魂 THE FINAL(2021年製作の映画)
4.5
終わった!!
わたしの青春が!!ついに!!!
ファンとキャストの執念で練り上げられた一本だと思う。出来はまあともかく置いといて、ついに終わった!という感慨が深いです。入場者特典がミツバ編の沖田総悟くんで、もう十年以上大好きなキャラの、いちばん胸を打つ回、いちばん思い入れのある回、本当に何度も何度も観た回がこの最後の最後に巡ってきたときに、ああ銀魂って終わるんだ……と一番強く感じた。終盤はシリアスシーンが続くためか、空知のボケもかなりぶっ飛んでる。やりたい放題、うわ〜銀魂だなあと思ってなんかしみじみとしてしまいました。シリアス代表高杉が幼馴染みと関わるときにはその化けの皮を剥がされるみたいに村塾時代から変わらない扱いされてるのももう大好き。高杉が変わっても銀時もヅラも辰馬も変わってないんだよ!あのときと同じように絡んであのときの高杉に戻しちゃうんだよ。もうそんなの泣いちゃうじゃん……
本来ならかぶき町大決戦で結構丸く終わらせられたはずだろうに、ここまひっぱってそれでも“日常”に戻ろうとするその執着は、銀魂が“日常系漫画”であることをメタ的に読者も取り込んで推し進められてきた感じがあります。銀魂のこの終盤の“日常への固執”すごいよね。日常系漫画は成長すること=物語の終わりを示してきたけど、銀魂は二年間成長をさせた上で日常に戻らせようとしてるというか、あえて二年経たせることでさらに説得力を増してるというか。新八や神楽が大きくなってきたのは事実だけど、でも銀魂は年月が変わっても変わらないものを散々説いてきた漫画なので。その意味でも日常系漫画を終着点にすることの意義はとてもある気がする。その執着の行き着く果ての日常があんまりに懐かしい匂いがしててわたしは泣いてしまうんですよ……その懐かしいものって今ではもう手に入らないものの象徴のようじゃないですか。だからなんかそれだけで感極まってしまう。銀魂のみんなはたぶんそれを手に入れるだろうけど、それ自体が夢みたいに尊いことじゃないですか。抱きしめたい……
長寿の連載作品ってその作品のクオリティ善し悪し以外にわたしみたいにしみじみと想い出にしてそれ自体を加えて評価する懐古オタクも多いだろうから、鬼滅とかネバランみたいに短期間でスパッと終わらせられる連載はすごいと思うけど、でも、一緒に生きてきたと思える漫画やアニメがあるのも幸せなことだな……と思った。ありがとう、わたしの青春と並走してくれて。
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