ちろる

ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝のちろるのレビュー・感想・評価

3.7
本日、上野の東京都美術館にて開催中の「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」を観に行きました。
アルル時代の《種まく人》
糸杉の傑作《夜のプロヴァンスの田舎道》
などなど素晴らしい展覧会でしたが、
これからこの展覧会に行く予定ならばぜひとも先にこのドキュメンタリーを観るのをお勧めしたい!

ゴッホが亡くなった少し後、ゴッホを深く理解し愛した女性がいた。
その名はヘレーネ。
20世紀初頭からファン・ゴッホの人気と評価が飛躍的に高まっていく背景には彼女の存在が外せない。

ゴッホの多くの絵に心を打たれ、収集して彼の作品たちのための美術館を設立した彼女は生涯をゴッホのを中心に、ミレー、ルノワール、スーラ、ルドン、モンドリアンなど多くの画家の作品の素晴らしさを人々へ伝えることに費やした。
そして亡くなったその時の棺はゴッホの絵画飾られた彼女の美術館に置かれたという。

もしゴッホが生きている間に彼女と出会っていたのなら、彼は生涯は少し違っていたのだろうか?
病んだ心が安定して、幸せを噛みしめることができたのだろうか?と思うが多分違う。

あまりに繊細で苦難を共に生きたファン・ゴッホは苦しみから絞り出して筆に希望を込めた。
だから心を打つのだ。

神との関わりに疑問を持ち思い悩むヘレーネにとって、ゴッホの瞳に映った自然の景色が神に変わるものだったのかもしれない。

死ぬまでゴッホを純粋に愛で続け、美術愛好者としての美しい生き様を見せたヘレーネ、天国ではフィンセントと会う事が出来たのでしょうか・・・
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