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1917 命をかけた伝令のLaSalsaのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.8
売り文句の没入感はあった。戦場をまさに移動する感覚。人馬が倒れそれこそ死体だらけだが、ただ倒れているだけでなく、土と同化していたり、馬が腐ってハエがリアルにたかっていたり…。次々と事態の情報が入ってくる。埋まり方、たかり方がなんともリアルで目を背けたくなるほどだ。

ただ、シナリオや演出はどうもイマイチな点が目につく。溺れかけてるはずなのに川岸に向かわなかったり、最前線で塹壕から一人抜けでた際におもいっきりゆっくり歩きだしたり、伝令を伝えてもあれだけ出撃すると聞かなかったのに手紙見た途端突如やめたり。戦好きな奴もいるから目撃者を用意しろってアドバイスはその後特に何もなく。このシーンいらんでしょ、という箇所が散見される。

ワンカットもまた功罪があって…やたら長い。長い分移動する感覚はあるものの、うーん。長い。

戦場のリアルな体験に力を注いだためか、ストーリーは薄く、心を揺さぶる何かが残らない。戦場という場所は本当に嫌なところだ、というのはよく感じるが、ただそれだけなのだ。受け取り手次第だとは思うが、戦場の悲惨さを伝えるというよりかは、戦場をリアルに再現したい、という欲望を感じる。。時代が変わってきているのだろうか。一抹の不安を感じた映画だった
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