サム・メンデスとロジャー・ディーキンスの擬似ワンカットは凄かったけれども、ふつうに凄いなと思うだけ。ワンシーン/ワンショットというのはモンタージュよりも現実の時間に近い。その形式に伝令(明朝までに作戦中止)を届けるという主題はどうなのか。例えば、アクションシーンは驚きを与えるためにしか存在していない。やはりショットを連鎖させるほうがカッコいいアクションになると思った。それにもかかわらずジャンプカットやブラックアウトを使わざるを得ないということ。「映画没入体験」は間怠さに取って変えられてしまう。だから起伏が生まれるダイアローグは面白い。対話をとえるためにもカット割りして欲しかった。つまり、擬似ワンカットのうまみをあまり感じれなかった。