“メタモルフォーゼ”、ドイツ語で“変態、変身”という意味らしい。
少し前に観た『ディヴァインフューリー』同様、韓国におけるキリスト教のいわゆる“悪魔祓い”、エクソシストに焦点を当てた映画。
『ディヴァインフューリー』は少し武闘派のアクションファンタジー要素が強めのエンタメ“悪魔祓い”だったが、こっちはどっちかと言うとホラー要素強め、かなり気味悪い。
悪魔ならではの、本質的な気持ち悪さ。おぞましさ。
とある悪魔祓いに失敗した牧師。
悪魔を祓えず、悪魔に逃げられ、その悪魔が再び牙を剥くが、、、その一件以来、それは彼ではなく、彼の兄の家族に災いが起きる。
この様子のおかしさはなかなか気味が悪い。
その一件で牧師は疑われ、その結果、兄の家族は周りとうまくいかずに引っ越すことに。
しかし、その引越し先で変なことが起こり始める。
隣の家の禍々しい様子、家の中でドッペルゲンガーのように暴力的な家族が複数現れる現象、、、。
そして、その一件以来疎遠になってしまった弟の牧師を再び家に呼び、この悪魔との因縁と再び向き合う。
この牧師、ペソンウ。最近観た『ベテラン』『スウィンダラーズ』にも出てた。素朴だけど、どんな役でも幅広くその雰囲気を出す、良い役者さん。
この隣の家がいかにもって感じの不吉で恐ろしい雰囲気。
だけど、それは1つの要素でしかあらず、狡猾で残忍で、人の弱みに漬け込み、平気で淡々と追い詰めてくる悪魔の嫌らしさ、恐ろしさ。
もともと最初の一件で色々と不安定になってしまった弟牧師と兄家族。悪魔からすれば格好の餌食で、少し混乱させれば勝手に自滅しかねない弱き家族。
1匹の悪魔が脆く弱った牧師と家族に力で襲い掛かるのではなく、ちょっとしたキッカケを与えただけに過ぎない中盤までの展開がこれはこれで恐ろしい。
悪魔の存在が点々として誰がどうなんだかわからず、やられる時は一気にやられるし、まったくと言っていいほど助けは来ないし、こんな軟弱な家族がどう対処するんだという不安感がただならない悪魔と平凡な家族の戦いを描く作品。
悪魔の力が圧倒的なのか、神の力を遺憾無く発揮できない面もあるのか。
勇敢に毅然と立ち向かうという意味での戦いというか、もはやただならぬ混乱に翻弄される様子と言った方が良い。
ちょっと『死霊館』っぽい雰囲気もある。あのシリーズで悪魔に好き勝手やられまくってるとある1つの家族っぽい感じ。
にしても、この韓国映画のヌルッとした質感の呪いがホント気持ち悪い。
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