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おもかげのsonozyのレビュー・感想・評価

おもかげ(2019年製作の映画)
3.5
スペインのロドリゴ・ソロゴイェン監督・脚本による美しいジャケ写の作品。
6歳の息子イバンが海辺で消息を絶ってしまった母エレナの絶望から10年後、その海辺のレストランで働くエレナはイバンの面影を宿した16歳の少年ジャンと出会う。
原題『Madre』=(Mother/母)

スペインからフランスへ離婚した元夫ラモンと旅行中の6歳の息子イバンがラモンの携帯からかけてきた電話を受けた母エレナ(マルタ・ニエト)は、どこかの海岸にいてラモンがすぐ戻ると出かけたまま戻っておらず、周囲に人もいない状況で一人ぼっちになっていると知り、混乱。
場所が特定出来ぬまま警察に連絡するが埒が明かず、見知らぬ男が近付いてきたというイバンの声を最後に携帯の充電切れで連絡が途絶えてしまう・・・
という緊迫感あふれるワンシーンワンカットのオープニングは2017年に製作された同名の短篇『Madre』(スペイン内外の映画祭で50以上の賞を受賞した作品)から。

10年後、エレナはイバンが消息を絶ったフランス南西部の海岸沿いVieux-Boucau-les-Bainsのレストランのマネージャーとして働いており、彼氏のヨセバが時々訪ねてくる生活。
ある日、ビーチでイバンの面影を宿す16歳の少年ジャンと出会い、彼と親しくなるエレナだが・・・

母性にとどまらない愛情に揺れ動くエレナとジャンの関係。
その危うい状況に困惑する彼氏ヨセバ、ジャンの家族。
更に、元夫ラモンからエレナに会いたいと連絡が来る・・・

エレナ役のマルタ・ニエトの演技力、サスペンスフルな展開と、何度か挿入されるビーチ・波音のシーンなど映像面でも印象に残る作品ですが、エレナのジャンへの感情は掴みきれませんでした。(特にラストシーンは解せず・・)

ヴェネチア国際映画祭: オリゾンティ部門女優賞(マルタ・ニエト)
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