てるたん

異端の鳥のてるたんのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
3.5
ドイツ軍のユダヤ人虐殺を逃れて疎開した少年。預かり先で祖母と2人暮らす日々。ある日、叔母が病死して行き場を失い、たった1人で家に帰る為、旅に出ることに。

行く先々で出逢う人達が野蛮な人間ばかり。
自分の欲望に忠実な人。
自分の感情を曝け出す人。

弱い少年は従うしか生きる道が無い。

まだ小さいのに、よく働く。
そして片隅で大人達の行動を見つめる。生き方を学ぶ為に。

少年の澄んだ瞳は心安らぐ山や川や空を眺めたり。遠く離れた両親を想っているんだろう。それにしても悲惨な現実ばかりを見過ぎたように感じる。

後半に出逢えた軍人との交流が唯一心が通じ合った人だったかな。

前半の弱々しい少年から後半は学んだ事を実践していく強くなった姿を見せる。それは染まってしまった悲しい姿でもある。

再会した父親を憎むが、父親の腕を見て自分と同じ苦しみを味わったと理解したのか、親から与えられた名前を捨てなかった少年の行動に真っ暗闇では無い未来が見えました。
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