Dumbo

マリッジ・ストーリーのDumboのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.2
何かヒントがもらえるかもよ。

以前から息子に
そう言ってすすめられていたけれど、
夫婦が言い争うシーンがあるのは
なんとなく知っていて、
きっととても観ていられない…と
ずっと後回しにしていました。

う…たしかに言い争いというか、
もはや罵り合い…しんどい…観てるの辛い…
もし自分が…と想像してみたけど、
私は多分言い返せないので、
罵り合いにもならなくて、
ただ黙って泣いてるだけなんだろうな…
確かなことは、あんな言葉を投げかけられたら、
きっともう立ち直れない。

“スカヨハ”と呼べるほど、
彼女の作品を多く観ている訳ではないけれど、
大好きなスカーレット・ヨハンソン。
ロングヘアーも似合っていたけど、
今作のショートカットもとても素敵で
やっぱり美人は何をしても美人✨
ハロウィンのデヴィッドボウイの仮装は
ほんとにデヴィッドボウイに見えて
笑った😅

アダム・ドライバーは
どうしてもカイロ・レンに見えてしまうけど、笑
表情で語る演技力は
やっぱり素晴らしいと思った。


夫婦の間にまだ養育するべき年齢の
子どもがいる場合、
離婚するとなると、夫婦の事だけではなくて、
その親権の問題が本当に大変。
夫婦の間で翻弄される子どもの心は、
その成長にも影響するに違いないことも
心が痛む。

子育てに関しての評価が、

夫は、どんなに良い父親であるか、
そして、“やった事”が認められ、
妻は、どんなにダメな母親であるか、
そして“できない事”を責められる。
そもそもの考え方が、
父親は0からの加点方式で、
母親は100からの減点方式。
“完璧な母親”が当たり前というのが、
一般的な考え方。

子どもの事を考えて20年我慢してきたけれど、
仲の悪い両親の元で育ててしまった事は
それもまた子どもの心を
たくさん傷つけてしまったことは確かで、
本当に申し訳なくて、また心が痛む。
(どうしても、ちょいちょい謎の自分語りが入ってしまい、すみません💦)


生きていると実感したくて
人は誰かを愛する。
でも結婚すると、
女は誰かの所有物になる。
夫は妻を見なくなり、
妻を人間として見なくなる。
妻も自分のために生きなくなる。

尊重されたい。一人の人間として。
自分だけの世界を持ちたい。
誰かのためではなくて自分の人生を生きたい。
そう思い始めてから、
私は髪をのばすのをやめました。

結局ヒントはもらえたような
もらえてないような…
わかった事は、
とにかく離婚はとんでもなく大変で、
お金も体力も精神力も消耗するということ。

そして…
夫婦というものの間には、
いくら罵り合うまでの関係になろうとも、
愛情でも憎しみでもない、
不思議な小さな思いやりのようなものが
まだ存在しているということも。

それが読み取れるラストシーンがあって、
とても救われました。


“「妻」や「母」は人生の一時期の姿であり、自分全体の何分の一かに過ぎない”

一番好きな作家の梨木香歩さんのこの言葉
(映画と関係なくてすみません)を
心の片隅にずっと
宝物のようにしまってきました。


そろそろ考え始めてもいいのかもしれない。
“妻”や“母“ではない自分の人生について。




Marriage Story
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