Dumbo

52ヘルツのクジラたちのDumboのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.8
“52ヘルツのクジラ”
というワードはとても魅力的で
共感できそうと
期待が大きすぎたのかも…


原作小説を先に読んでいたので、
予告編を観た時は泣いてしまったのに(笑)

本編では
なぜかあまり泣けなかったし、
感動もしなかった…

つくづく、小説の映像化って難しいんだな…と思いました。



ヤングケアラー、トランスジェンダー、
虐待、DVなどなど…
小説で読むとそこまで思わなかったのに、
映像で観ると
あらためて辛いテーマが多すぎて、
心が拒絶してしまった感じでした。
それぞれの問題についての考え方も
自分の思うところとは違っていて、
いろいろモヤモヤしたり違和感を感じました。

 
“魂のつがい”
とアンさんは言ったけど、
“つがい”というと、やっぱり“男女”という型にハマったものを連想してしまい、
それもなんかしっくりこなかった。


邦画は自分の生活に近く感じてしまうため、引きずることが多いのでしんどい…

やっぱり邦画はコメディがいいです笑





余談ですが、
町田そのこさんの小説は大好きで、一番好きなのは
『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』です。

町田さんの小説が好きな理由は、
一般的に考えて、ともに生きてはいけないと思う人が、
その人の人生を救ってくれることが多いところ。

そして、
私にとって、町田さんの小説こそが
まさに“52ヘルツのクジラ”だと思っています。

届かない声を受けとめて
そっと寄り添ってくれるような…
町田さんの小説はそんな存在です。





「だからお願い…
52ヘルツの声を 聴かせて」
Dumbo

Dumbo